『確かに個性的な人がいっぱいいるな。でも、そのお陰ですぐに名前と顔を覚えられそうで安心した。気になる子も出来たし、本当にこのクラスに入れてよかった』
『何だよ!もう好きな奴できたのか?』
『まだ気になる程度だって』
『誰だよ?気になるじゃんか!』
そうやってしばらく言い合っていると、2班対3班の試合が始まった。鳴海君の好きな女の子の存在より、華代と和樹君の試合が気になったので、私はサッカーの応援に徹した。
始めは華代がいる3班がボールの指導権を握っていたが、簡単に和樹君がボールを奪い、独走体勢に入った。他のメンバーも、和樹君を援護するように周りを強化し、あっという間にゴールキーパーとタイマンになった。
すると、さっきまでじゃれ合っていた2人も、会話を中断して和樹君を応援していた。声が聞こえたのか分からないけど、タイミングよく余裕の笑みを浮かべると、鮮やかにゴールを決めた。
『かずきー』
背後から和樹君の背中に飛びつこうとした丸山君に注意の笛が鳴った。
『えっ?』
どうして笛が鳴ったのか理解に苦しんだ。丸山君が困った顔で先生を見ると、今度は短く笛を鳴らした。
ピッ。
先生は笛を口に銜えたまま早口でしゃべった。
『お前達は試合の時間より、スキンシップの時間の方が長いんだよ!!』
それを聞いた和樹君は、今にも消えてなくなりそうなくらいか細い声で言いながら歩き始めた。
『どうせ俺の‥シュート‥なんてさ‥』
地面に転がっている小さい石を蹴っていると、丸山君が和樹君の背中を強く叩いて叫んだ。
『和樹、ナイスシュート!!』
その声に続くように、相手チームからも沢山の声が飛び交った。和樹君はゆっくりと校庭を見渡すと、照れくさそうな表情を浮かべながら右手で髪の毛をクシャクシャにしていた。
気分が高ぶってきたのか、調子に乗って「ありがとう。ありがとう!」と、生徒会長にでも立候補する時のように、みんなに向かって笑顔で手を振っていた。我が道を走り始めた和樹君を止めることは出来なかった。
『何だよ!もう好きな奴できたのか?』
『まだ気になる程度だって』
『誰だよ?気になるじゃんか!』
そうやってしばらく言い合っていると、2班対3班の試合が始まった。鳴海君の好きな女の子の存在より、華代と和樹君の試合が気になったので、私はサッカーの応援に徹した。
始めは華代がいる3班がボールの指導権を握っていたが、簡単に和樹君がボールを奪い、独走体勢に入った。他のメンバーも、和樹君を援護するように周りを強化し、あっという間にゴールキーパーとタイマンになった。
すると、さっきまでじゃれ合っていた2人も、会話を中断して和樹君を応援していた。声が聞こえたのか分からないけど、タイミングよく余裕の笑みを浮かべると、鮮やかにゴールを決めた。
『かずきー』
背後から和樹君の背中に飛びつこうとした丸山君に注意の笛が鳴った。
『えっ?』
どうして笛が鳴ったのか理解に苦しんだ。丸山君が困った顔で先生を見ると、今度は短く笛を鳴らした。
ピッ。
先生は笛を口に銜えたまま早口でしゃべった。
『お前達は試合の時間より、スキンシップの時間の方が長いんだよ!!』
それを聞いた和樹君は、今にも消えてなくなりそうなくらいか細い声で言いながら歩き始めた。
『どうせ俺の‥シュート‥なんてさ‥』
地面に転がっている小さい石を蹴っていると、丸山君が和樹君の背中を強く叩いて叫んだ。
『和樹、ナイスシュート!!』
その声に続くように、相手チームからも沢山の声が飛び交った。和樹君はゆっくりと校庭を見渡すと、照れくさそうな表情を浮かべながら右手で髪の毛をクシャクシャにしていた。
気分が高ぶってきたのか、調子に乗って「ありがとう。ありがとう!」と、生徒会長にでも立候補する時のように、みんなに向かって笑顔で手を振っていた。我が道を走り始めた和樹君を止めることは出来なかった。

