「なぁ、奈々ちんはさ…俺のどこがよかったわけ?」
二人で初めてのさぼり。
二人で屋上の床の上に座って話す。
「そんなの…いっぱいだよ…」
「あはは。だよな…」
「何さ〜そういう悠紀は?」
奈々は俺を見る。
「ん?俺もいっぱいだよ。」
「え〜?」
奈々は二つ結びをしていた髪を下ろしながら、俺を見る。
「最初は一目惚れだったのかな?」
「私もかも…」
奈々は笑う。
「なあ、奈々。俺の誕生日さ…どこ行くかは俺が決めていい?」
「え?いいよ〜悠紀の誕生日だし。」
「ああ…じゃあ楽しみにしてな?」
俺は誕生日…お互いが幸せになれる計画をしていた。
まだ内緒だけどな…
「去年、悠紀が私の誕生日祝ってくれた時…私本当嬉しかったな〜」
「ああ。奈々がメールよこして今から行くってさ〜」
「うん!」
去年はいろいろあった。
楽しい事も辛い事もあった。
「今年は行事みんなさ…絶対一緒に過ごそうな?」
「うん。悠紀となら楽しいよ!」
「ああ。」
「文化祭とか楽しみだな〜」
「俺今年最後かぁ〜」
「そうだよね…来年寂しいな〜」
「留年しようかな…」
「だめだよ!悠紀は就職でしょ?」
こんな時間一つ一つが一生続かないかな……
いつも奈々といたい。
お互い苦しまないで…
「就職かぁ…」
早く奈々と結婚したい〜
まだだめなんて…
そしたら少しは安心…
「悠紀っ…」
「ん?」
〈パシャ〉
「撮っちゃったもんね〜」
奈々は俺の顔をケータイで撮ったようだ。
「盗み撮り〜」
「いいじゃん!待画にしようかな〜」
「恥ずかしいからやめれ!」
だけど俺は知らなかったんだ…
こんな幸せな時間を続けるのは難しい事を…
奈々と俺がどんな運命なのかを……


