「……っごめんね…本当に…私。」


奈々は俺を見つめる。


「いいって。奈々を不安にさせて悪かったな…」


「……悠紀…」


「俺は絶対奈々以外ありえない。それは忘れないで?」



こんなに一途でこんなに切なくても俺はお前だけ。


嫌いにならないよ?


前みたいに離れるのはもうないよ?


他の女は見ないよ?


どんなに言っても奈々には足りないかな?


どうしたら奈々を安心させられる?


どうしたら奈々は俺が自分だけのものって思える?




すると


「悠紀っ。」


「………ん〜?」


奈々は自分から俺にキスをしてきた。




え……?奈々ちゃん!?



奈々は離すと顔を真っ赤にしながら俺を見る。


不安にさせたくない…


そう思うのは奈々がすごく好きだから…

ずっと見てた。

初めて会って仲良くなった時も…離れてた間も…


俺だけを見つめて俺だけのものになってほしかった。


今はそれが叶って…


失いたくない。


それは奈々も同じなんだ。


「なーな?」


俺は奈々を見る。


「悠紀は私のだよ?だからもう不安にさせないで?」



「ああ…」


「……悠紀…授業、今日はさぼっていい?」


「え?」


「クラスに帰ったら休み時間しか悠紀に会えない。だから悠紀の時間を少しだけちょうだい?」



「やるよ。俺もこんな気持ちのままクラスいたくない。」


奈々はにっこりと笑う。




そばにいてもたまに離れそうで怖くなる。


俺らは普通のお付き合いとは違うのかな…


付き合うってまだよくわからない。


でも今は……


お互いの絆を深めればいいと思う。


いろいろな事があっても乗り越える。


そしたら…


いつかは……



「ね、なんか面白い話ない?」


「怖い話なら…」


「やだよ〜寝れない!」


だけどこれから何が起こるかなんてわからない。


だからまだ不安はある…