「やば〜開いてなかったら!」
でも走れない奈々は早歩き。
理科室の距離が近づいていく。
……理科室。
「なんだよ。話って…」
「ごめん。諦められないみたい…」
「なんで?雅也が想ってくれてるのに…」
「あんたが彼女さんと仲良くしてるの見ると辛い…」
「でも俺…だめなんだ…彼女だけ。」
すると
………………!
礼がいきなり俺にキスをしてきた。
「………れ、礼っ!?」
「ごめん……」
礼は理科室を出た。
ごめんって………
礼はどうする気だよ?
諦めるため?
俺に意識させるため?
よくわからない……
雅也と気まずいな〜
でもなんとかなる。
奈々だけを見てるし…
だけど
「ゆ、悠紀が…知らない人と……」
話は聞かなかった。
でも偶然奈々は二人がキスをしてるところを見てしまった。
「信じなきゃ…だけど…」
複雑な気持ちで奈々は涙を流す。
悠紀に声をかけず、奈々は教室に戻った。
忘れ物はどうでもよかった。
「…難しいな…こりゃ。」
何も知らない悠紀はかばんを持つと理科室を出た。
「でさ〜雅也と悟がさ〜」
家に帰ると奈々に電話をしてみた。
放課後帰れなかったからせめて話したかった。
でも
『そうなんだ…楽しそうだね。』
「奈々…?」
『ごめん…今日寝るね。』
「体大丈夫か?」
『ん…へーき。また明日休み時間話そ?』
「ん…ああ。明日一緒に学校行く?」
『いいよ。私早起きだし…悠紀眠いよ。柚と行く…』
「そっか…」
『じゃあ…』
「おいっ…奈々…」
だけど電話は切れた。
奈々……
なんか変だよ?どうして……


