すると
「あ、奈々っ…もうそろそろ…」
「あ〜」
もうすぐ学活の時間。
「じゃあね…悠紀。」
「ああ。」
「さよなら〜」
柚ちゃんと奈々は教室を出た。
すると
「お前、奈々ちゃんと進展あった?」
「…………え?」
進展って……
「まさか…まだしてな…」
「お前な〜彼女は大切にするべきなんだぞ?」
奈々は大切にしたい。
それに奈々がな…
「お前らしくないな〜俺、たまにクラブ行くけどよ。女みんなお前に会いたがって…」
「モテるやつは辛いよ。」
「なんかムカつく…なんで礼まで…」
礼か……
あいつは友達だしな……
今日の放課後か…
雅也には複雑だな。
「俺は一途でいたいから。それに…変わりたい。」
「悠紀…」
「あ〜タバコ吸いたい…」
俺は次の授業の準備をした。
「じゃあな〜」
放課後。
今日は奈々と約束してなかったため礼にすぐ会いに行く。
話というのが気になるから。
早くなんとかしないとな…
もやもやした気持ちのまま、待ち合わせ場所の理科室に行く。
理科室は授業以外は人があまり来ない。
だから礼は選んだのだろう。
雅也のため自分のためでもあった。
今すぐでなくても礼には諦めてほしい。
友達以上は無理だから…
奈々といるためにはいろいろな事を乗り越えないといけない。
〈ガラっ〉
理科室のドアを開けると礼が先にいた。
「礼……」
「ごめん…いきなり呼び出して。」
礼の表情は真面目だった。
いつもと違う。
その頃……
「奈々?どこ行くの?」
「ん?なんか理科室に忘れ物して!」
「いってら〜」
運悪く奈々が理科室に向かっていた。


