「あ!」


「何?」



「時間っ!」


「あ〜」


もう帰る時間。


いくら叔母さんに認められても遅くなったらだめだ。



「家来る?」



奈々が俺を見る。


叔母さんがオッケーしたからかな?


でも


「今日…親父帰るかも。」


「そっか…」


「また明日も会おうな?」


「うん…」


奈々は学校かばんを持ち、帰る用意をする。



「……行こう?」



奈々は頷く。


俺は奈々の手を引く。



もっと一緒にいたいな…


誕生日まで我慢だな。








奈々の家はすぐ近く。



俺らは少し歩いたらお別れだ。




「じゃあ……」


俺は家の方向が違うからすぐ別れる事になる。


すると


「……あ…悠紀っ…」


「………ん?」


俺は奈々を見る。



「やっぱ言いづらいなぁ…」


奈々は一人でぶつぶつ言ってる。


「何ですか?」


俺は奈々を見る。


「えと…あの…」



あ…もしかして…


「分かってるよ?」


俺はそう言って笑うと奈々に優しくキスをした。



寂しがり屋な奈々だからな。



終わると奈々はにっこりと笑う。


「じゃあな。」


俺は家に向かった。







誕生日…かぁ。



奈々と過ごせる。


子供みたいにわくわくしちゃうよな。



でも奈々と別れてからは気分が変わる。



親父が帰る日。


正直うるさいから嫌だし。


女…また連れてくるのかな…


たまに帰ると女といる。


だからいらいらしてた。



でも


なんか変わった俺。



親父と向き合おうかなぁという気持ちもある…



多分奈々のおかげ。


奈々の親父のがひどい。


でも奈々は大丈夫って前に言ってくれたから。



だけど


やっぱり気分だけはな……