「林さーん?」


「はーい。」


奈々と放課後病院に行く。



病院はとても大きなとこ。



だから奈々の病気がどれだけ悪いのか不安になる。



消毒薬や湿布の匂い。


病院は嫌いだ。



今日で更に。


ここにいても助からない人はいる。


奈々みたいに簡単に治せない病気の人だって…



だから嫌だ。



「俺、待ってるな?」


「うん。」


奈々は診察室に行く。


不安でたまらない。


いくらあの奈々でも…


悪くないとは限らない。



不安を少しでも和らげるため、俺は雑誌を読む。


こんなのしかねぇのかよ……



最近のニュースが載った週刊誌。


誰と誰が結婚やら離婚やら……



正直興味ない。



俺はパラパラと雑誌を読む。


すると


「うあ〜痛いよぉ〜」



小さな子供が泣きながら来た。



注射でも打ったのだろう。



「ほらほら、大くん。」


お母さんが小さい子供を優しく励ます。


母親かぁ……


俺にもあんな時はあったような……



家族は気がついたらばらばらだったしな……



……にしても病院は落ち着かない。



奈々…大丈夫かな…



奈々は生まれた時から今までずっとこんな場所で苦しんで……



薬がないとだめで……



どうして奈々なんだよ…


奈々を苦しめるなよ…



病気という悪魔に本気で腹が立つ。



俺は何もできないのかな…



奈々が元気ならいい。



それを保つのは難しいのかな?


なぁ……




すると



「ただいま♪」


奈々がやっと来た。


「奈々〜」


「なんか先生と雑談しまくっちゃって♪」


「どこのおばさんだよ!」


よかった…多分奈々は大丈夫だろう。