「悠紀!」
体育が終わると奈々のクラス。
陸上で疲れたけど奈々の笑顔を見たら変わる。
「お前元気だな。」
「えへへ!」
奈々の叔母さんの言う通り。
こいつが変わったのかは知らないけど……
奈々はこんなんだからいい。
本当…小さいなぁ…
「悠紀…?」
「お前、本当小さいな…」
「ひど!」
でも
俺も変わったよな。
お互い出会って変わった。
すると
「悠紀…あのさ、土曜って悠紀の誕生日だよね?」
「ああ。そうだよ。」
雅也がお泊りとか言うからつい思い出してしまう。
多分俺の誕生日を知ってるのは雅也情報?
「その日…一緒に過ごせない?」
「当たり前だろ〜?」
俺は奈々の頭を撫でる。
でも
誕生日といえば俺は…
去年の奈々の誕生日を思い出す。
嫌われたくなくて気がついたら必死で…
朝早く学校に行って奈々にプレゼントを渡した。
俺らしくないかわいらしいプレゼント。
思い出すと懐かしくて笑える。
すると
「あのね…私んち悠紀はその日来れる?叔父さんと叔母さんいないんだぁ…」
「……え!?マジ!?」
「やらしい事考えたでしょ?」
「いやいや〜」
でも
つまりお泊りじゃん!
雅也の言う通り…
甘い誕生日って……
妄想はだめだぞ!俺。
すると
「プレゼント…楽しみに待っててね?」
「ああ…」
奈々と甘い誕生日か〜
来年もさ来年もずっとずっとお互いの誕生日を祝うんだ。
二人で祝う。
こんなに幸せな事はない。
お願いだから…
もっともっと俺と奈々に時間をください。
毎年一緒にいれたらいいな…
でも…それは普通とは違って簡単じゃないんだ。
俺らの場合。


