修羅場に出くわした…


「何してんの?お前ら。」


「雅也があたしをまだっ…」


礼が言う。


でも


「雅也、安心しろ。俺は奈々だけだし…



「悠紀見てたらさ、俺も素直になりたくて。かっこ悪いな…」


礼は雅也を見る。


「悪いな。礼…俺は奈々が好きだし…親友が大切だ。」



「……そんなの…」


奈々が大切……



礼は涙を流す。



友達のままでいい…



でも


今だけは……


「雅也。行くぞ。」


「……あっ…待って悠紀…」



すると



「俺、そんなんでもお前をあきらめないよ。」



雅也はそう言うと俺と屋上を出た。



「……雅也…かっけぇ…」


「ははは。たまにはな…」


礼が雅也を好きになれたらいいのに…


それは自分の都合にいいからじゃなくて…



雅也はずっと一緒の親友でやなやつじゃないから。



ずっと礼が好きだったのか……



よかった……



雅也を心配してたから。



だからつい避けたり…


「俺、頑張ってみる。前は避けたりしたけど…悠紀と奈々ちゃん見てたら後悔したくないなぁって…」


「まさか礼が俺を好きとは…」


「知ってたよ。付き合ってた時から。俺は利用されてた…でも、今はいいや。」


「………雅也…」


「お前を恨むわけにもいかんし、俺は頑張るしかない。」



「マジお前いい男だな!」


「うわ!ホモ…」


「ばーか!」



雅也とはこんなだから長く親友できる。


これからはこいつを応援してやるか。