「奈々を頼みます。」


意外だった。



普通は反対されると思うが……



奈々が叔母さんに何か言ったのか?



すると


「………あの?」


「あ、あの…いいんですか?俺は奈々の隣にいたいけど…」


「あの子、男苦手なのに…あなたは平気なんでしょう?」



確かに…奈々は俺だけ大丈夫だけど…



「あの子、小さい頃からひどい目にあってばっかで…あたし達だけであの子の力になれるか不安で…」


奈々は昔、いろいろあったみたいだな…


柚ちゃんも言ってたけど。


「奈々は幸せなのかわからなかったんです。でも…最近、なんか変わって…」


「…………え?」


「無理して笑ってるけどあの子にリスカの跡があるのを知って…辛かった。でも…今は無理してないんです。」


「……無理してない?」



「きっとあなたのおかげね。最近、病気なのか忘れるくらい元気で…」



あいつ…確かに元気だよな。



「だから…あなたならあの子を救えるかもしれないの。反対なんかできないわ。どうかよろしくお願いします。」


奈々は…変わったんだ…


俺と会う前の奈々はどうだったのかな……


そんな気持ちだ。


「はい…俺、奈々を守ります!」



そう言うと叔母さんは笑った。



よかった…なんかドキドキしてたんだよな〜


反対は嫌だし……



すると


「いつでも遊びに来て下さいね?では…」



そう言うと叔母さんは家に入った。



奈々に報告しよ〜


あいつ不安そうだったからな…



すると



〈♪〜♪♪〜♪…〉


………メール?


しかも偶然にも奈々。



《上見て〜》


は?上?


俺は上を見る。


見ると奈々が二階のベランダにいた。


奈々の部屋は二階のようだ。


「見てたのかよ!」


「うん!」


奈々は笑って言った。