「悠紀〜できました♪」


奈々は長い髪を二つ結びにしてエプロンをしたまま俺に言った。


今日はハンバーグにサラダとスープ。



どの料理も美味しそうだ。


さすが奈々。


かわいいだけじゃなく家庭的な一面もいい。


俺はそういうとこが好き。


「あ〜疲れたからお腹空いたね!」


「ああ…」


礼のいきなりな告白や雅也の気持ち。


その事がまだ頭から離れない。


でも


今更だよな…


俺ってなんでこんななんだろ…


すると


「食べないの?」


奈々が聞く。


「…あ、冷めちゃうよな。」


せっかくの奈々の料理…


「悠紀…なんかあったの?」


「…………へ?」


「様子が…」


奈々…見てたんだな。


ちゃんと……


「……雅也の元カノから告られた。」


「………え!?」


「でも…ただの友達だし。奈々だけだからさ?でも…雅也の気持ち考えたら…」


「雅也先輩、まだ未練あるって事?」


「ああ…それなのに元カノが俺を好きと分かってて…」


奈々は手を止める。


「あ、悪いな…こんな話。食べよ…ん…うまい。」


俺は笑って言う。


すると


「大丈夫だよ。友達だもの。それに…恋に辛いはつきものだから…仕方ないよ。」


奈々は笑って言う。


奈々も…経験したからな。



「ごめん…奈々。俺…」


「平気だよ!悠紀がいれば私は…苦しくても一途になれたの…悠紀だけだもん!」


奈々はそう言うと美味しいと言いながらハンバーグを口に入れる。


よかった…


奈々を好きで。


そう君は思わせてくれる。


「奈々、すげぇ美味い。」


「ありがとう〜今度は悠紀が作ってね?」


奈々は嬉しそう。


俺…奈々じゃなきゃだめだな。








「…あ、奈々…時間そろそろ…」


俺は夕飯を終えると時計を見た。


寂しいな…