「さっき別れた…?」
「元カノ最低でさ。子供できた言うから俺が父親かと思ったら俺の友達で。なのに俺が好きだから俺に育てさせようと…」
「なんかドロドロしてるね…」
俺は笑う。
だけど。
……ドキッ……
奈々が俺を見つめる。
「………奈々?」
「………よかった。それで避けてたの?私の事。」
「うん……辛いから。」
「…………え?」
奈々の側にいたかったのに……
奈々……
俺は奈々を抱きしめる。
「ちょ…ゆ、悠紀?」
奈々は動揺する。
だけど…離したくないよ……
「好きだ。奈々の事。」
「…………っ…」
「奈々にずっとずっと会いたかった。俺と…付き合って下さい。」
すると……
奈々は離れる。
奈々……?
だめなのかな……
嫌?
「悠紀、私が去年の3学期の終業式に言った事覚えてる?」
「ああ…」
「あれから気持ちは変わってない。」
奈々はにっこりと笑って言う。
「奈々…」
「知ってる?悠紀。私は悠紀に一途なんだよ?泣いてもいいの。だって悠紀は初恋で大切だから…」
「奈々…」
「だから…もうあんな事しないで……」
奈々は涙を流す。
奈々…ごめん…
もう避けない。
もう苦しめないから…
奈々の事ずっとずっと好きだよ。
俺はまた奈々を抱きしめた。
俺まで泣きそうだし。
でも……
もう我慢しなくていいんだ。
もう素直になってもいい。
奈々を絶対離したくない。
よかった…
奈々と俺は離れてた間もお互い想ってたんだな…
そう思うと嬉しかった。
奈々以外俺は考えられないみたいだ……