「奈々の家知らないからな…奈々の家ってどこの近く?」
『え?東公園……』
「じゃ、待ってて?行くから。」
『へ?』
「逃げるなよ!」
会ったばっかの時みたいだった。
メールでやりとりばっかで……
『わかった…』
「じゃ。」
俺は電話を切るとクラブに戻る。
「あれ?悠紀、どうした?」
「わり!雅也…俺、帰る!」
「はぁ!?詳細は?」
「里沙か太一に聞け。それか明日!」
「おい!」
俺は走って行く。
確かクラブからそんなに遠くない。
開放感いっぱいだった。
仕事は探さなくていい。
タバコもいつでも吸える。
まぁ、親父や里沙の両親の事もあるけど。
奈々にすごく会いたかった。
遠くからしか見れなかったから……
今は近くに……
奈々の気持ちは今どうなんだろう……
俺はドキドキでいっぱい。
すると……
「悠紀!」
公園に着くと奈々がいた。
急いだのか、部屋着を着ているようだ。
髪は相変わらずストレートのさらさらの長い髪を下ろしている。
でも泣いた後だからまだ目はな……
今すぐ抱きしめたかった。
俺は今でも……
「……あれからどう?男できたりした?」
俺は聞く。
奈々は首を振る。
「好きなやつとか…」
すると、奈々の反応がなくなる。
「奈々……?」
「悠紀、彼女さんはいいの?」
奈々は俺を見て言う。
「……さっき別れた。」
俺は奈々を見つめて言う。
奈々はびっくりした顔で俺を見る。
やっと……素直に奈々に気持ちが言えそうだ。
ずっとずっと好きだったと。
奈々に……