「ああ…気分でも悪くなったんだろ?」
「悠紀のなんなの?あの子………」
「後輩だよ。柚ちゃん繋がりで仲良くなって…」
もう終わった恋………
だけど……
なんでだよ………
両思いなのに叶わない。
両思いなのに………
忘れるしかない………
なんて残酷なんだろう……
神様神様………
どうか奈々を幸せにして下さい。
奈々がもう泣かないように。
お互いが忘れられるように。
俺と奈々を苦しめないで…………
好きだったよ……
奈々。
好きになりたくなかったよ。
里沙を好きになりたい……
「ねぇ、悠紀…あたしの事どう思ってる?」
里沙が聞く。
「ん?好きだよ?」
すると、里沙は抱きついてきた。
俺はこうなる運命だった…………
「…………ック…ヒック…」
奈々は家に帰り、叔父さんと叔母さんにばれないように部屋で一人泣く。
お互いいつも想ってた……
お互いいつも会うのが楽しみだった……
なのに、距離が二人を引き裂いていく。
叶うはずもない恋。
「…ただいま…」
俺は家に帰る。
もうだめかぁ…………
里沙は俺に本気。
なのに俺の気持ちは昔から変わらないでいる。
最悪だな……
毎日がこの頃の俺は辛かった。
もう恋なんてできない。
そう思ってた……
だけど……
俺は知ってしまったんだ……
好きになればなんだってする人はいる。
俺は気付かないでいた………
なぁ……なんで俺ばっかり………
そう昔も今も俺は思ってたんだけどな………
なんでだよ………
願いは一つ。
奈々が幸せでいる事だった。


