奈々…奈々……
マジでごめん。
本当は……奈々がすごく好きです。
初めて会った時から。
子供みたいに無理しながらもはしゃぐ姿。
優しい性格。
すぐに真っ赤になったりにこにこした顔。
男苦手なくせに俺にだけは違った。
そんな奈々が俺も初恋。
好きと言えなくてごめん………
嫌いになれないじゃん。
忘れるのは難しい……
あんな事言われたら。
「……あ、里沙?今から行く…」
俺は里沙に電話をする。
だけど…
「………はぁはぁ…」
俺は学校に走って戻る。
……さすがに…もう帰ったか………
……何やってんだよ俺。
行って奈々にどうしようとした?
行ったって……
奈々は困る。
バカみてぇ………
遅刻するから里沙のところに行く。
体が勝手に動くなんてな。
俺は父親になり、里沙を支えなくてはいけない。
そんな立場なのにな……
決別しなきゃ……
《一件のアドレスを削除致しました》
奈々のアドレスを消す。
これで完璧に終わった。
いつか、奈々は俺を忘れて他の男のものになる。
俺も里沙と仕事をしながら子供と暮らすべきだ。
もうだめなんだよ。
思い出はみんな過去だから。
振り返ったって無駄だ。
いつかはお互いが笑って会える。
お互いが苦しまない。
こうするのが1番。
そう自分に言い聞かせていた。
「悠紀…遅い〜」
「はいはい!」
待ち合わせのカフェに着くとマフラーをとり、俺は座る。
そして、里沙と話したり遊ぶ。
家に帰ると奈々とのプリクラなどをみんなしまった。
もう終わりだな。
終わりにしよう………


