俺も昔は軽く見られたようだが、無理やりはない。
「ほら…」
男達が奈々を連れて行こうとする。
すると
「おい!やめろよ!」
俺は男達を睨む。
「なんだよ?こいつ…」
「この子…困ってるし。」
「はぁ?なんだよ…おま…」
だけど、俺は男を殴る。
「………ってぇ……」
「離れろ。」
「行こうぜ!」
殴られたやつと他のやつらは離れていった。
奈々は俺を見る。
久しぶりの奈々……
「助けなくていいじゃん!私が嫌いなんでしょ?」
奈々は俺から目をそらして言う。
「あのままだったらやばいぞ?お前…」
奈々があんなやつらに何かされるのは嫌だ。
すると……
「……やっと話せたね…」
奈々は泣きそうな顔で俺を見る。
ズキン………
奈々………
「これからは気をつけろよ?あんなやつらに狙われないようにな。」
これ以上奈々といると抱きしめたくなる。
離せないから……
俺は行こうとする。
すると…
「悠紀!私、悠紀が好き!」
え………
俺は振り向く。
「好きなの…私、こんなの初めてで……気がついたら悠紀を見たり、悠紀といると病気じゃないドキドキをして…」
マジかよ……
俺は奈々を見つめる。
「離れても私、悠紀を想ってるからね!私の初恋は悠紀だから…」
奈々……
もし、あんな事がなければ……俺らは……
もし、もっともっと早く会えば…何か変われたよな…
「好きなの……」
奈々は涙を流しながら言う。
ごめんな……奈々。
俺もすごく好きだよ。
奈々を抱きしめてやりたい。
好きといっぱい言いたい…
けど……
さっきから止まらない里沙からの電話。
「じゃあな……」
俺は離れた。
奈々を見ないで。
俺も涙を流す。
もうだめなんだな……


