「次、体育かぁ…」
俺と雅也は移動する。
雅也には話さないとな。
すると……
「あ、奈々ちゃんと柚だ…」
廊下でばったり奈々達と会ってしまった。
最悪だ……
なんでだよ……
会いたくない会いたくない………
「あ、お兄ちゃんに先輩!」
柚ちゃんが来た。
すると…
「柚、先行くね。」
奈々は冷めた表情で言った。
「あ、奈々〜」
奈々は走った。
あいつ…走ったら…
「奈々、だめだよ〜」
だけど…
「ハァハァ…………」
奈々は苦しそうにしてる。
「ごめんなさい!奈々、保健室連れてきますね。」
柚は奈々を支えて行った。
俺らの距離はあっという間にすごく離れてしまった。
「…なんかあったのかよ?」
雅也が俺を見る。
「………っ……」
苦しい苦しい苦しい……
奈々の涙を拭けない。
奈々………
「奈々、ゆっくり休んでてね?」
「うん……」
あいにく保健室には先生はいなかった。
次の授業が近い柚は奈々をベッドに寝かせ、そう言うと保健室を出た。
「……悠紀のばか…」
奈々は涙を流しながら布団に潜りこむ。
奈々にとっては、いきなり離れた悠紀の気持ちがわからず辛かった。
「嫌われたのかな…」
心臓が苦しいのは病気じゃなくて、奈々にとってはその事だった。
辛い奈々はただ眠った。
寝るしか辛さから逃げる方法はない。
……奈々…大丈夫かな。
少し気になり、悠紀はこっそり様子を見に行く。
………え……
保健室には奈々しかいない。
奈々は眠っている。
傷つけたかもな……
奈々……
俺は保健室に入ると奈々を見つめる。


