里沙とはカフェを出てから全く話してない。
ただ、バイバイと帰り際に行ったくらい。
俺は父親になったんだ…
いきなりすぎとショックで辛かった。
親父に話さないと………
俺は……
もう奈々に好きとも言えない……
奈々に会えないんだよ。
《奈々、ごめん。クリスマスだめになった。マジごめん》
そう送ってしまった。
奈々に本当は…クリスマスに好きと言いたかった。
もっともっと話したかった。
会いたかった……
ごめんな……
俺は里沙と里沙のお腹にいる子供を幸せにする義務がある。
あきらめるしかない……
今度こそ里沙にマジになるしかないんだ……
前の俺は最低だった。
だから…
その天罰のように思えた。
もう俺は奈々を愛せない。
後悔したって無駄だ。
里沙はもともと高校には通ってない。
だから、バイトと遊び。
父親がいなくて、母親と二人暮らし。
里沙は母親を楽にさせたくてバイトをしていた。
高校は、里沙の出産が近い頃に辞める事になるだろう。
会いに行った最初、親達は反対だったが、17歳の女の子に子供を堕ろさせるのは残酷だから結局は賛成する。親父もだった。
高校は卒業できないのか…
俺は仕事を探すしかない。
まぁ、知り合いに聞けばなんとかなる。
でも………
学校に行くと奈々を避けるしかない。
《今日お昼食べようよ!》
奈々から来たが最初は断るも、返事が辛くて避けた。
「悠紀?なんかあった?」
昼の時間、雅也が聞いてきた。
「なんで?」
「柚からさ、奈々ちゃん泣いてばっかと聞いたから…」
「…………。」
泣いてる?奈々が…
俺の事だったら辛い。
でも、俺は奈々に優しくできなくなってしまった。


