朝になると奈々は隣にいなかった。
ただ、いまだに残る奈々の香り。
すると……
《♪〜♪♪〜♪…》
あ……
メール?
〈今日は遅くなる(>_<)柚になんとかごまかしといて〜〉
雅也だ…
全く。
女二人…男一人かよ…
すると…
〈ガチャ〉
「悠紀!朝ご飯できた♪」
「ああ…」
今日は朝飯食べたら帰るかな……
すると。
「柚いないんだぁ…なんか部活で。」
奈々が言った。
「あ〜バレーか。」
昨日はなかったみたいだが、柚ちゃんはバレー部だ。
中学から長くやってるらしい。
「じゃあ、俺も…朝飯食べたら帰るかな…」
「えっ?」
「暇だしな〜」
「そっか。私は今日…病院。」
奈々は複雑な表情で言う。
「……えっ?」
「毎月一回くらい通院なの。検査しないとだし…」
「……………。」
奈々の病気は…
どれだけ深刻なんだろう?
元気で隣にいるなら俺は……
「食べよ?」
「ああ。」
俺らはリビングに向かう。
奈々は普通の女の子。
だけど……いつどうなるかわからない。
「…じゃあな〜」
「バイバイ。」
奈々とお別れ。
寂しさは増す。
でも…行かなきゃ。
休みの日は嫌だ。
奈々に会えない。
だけど、奈々の男になる権利なんか俺にあるはずもない。
「悠紀〜久しぶり♪」
遊びはやめるつもりだった。
だけど…
理由があった
俺みたいなやつは奈々を幸せにできない。
他の女から誘われて。
親父らみたいにはなりたくない。
でも…俺もこんなやつなんだから…


