「奈々〜どうした?」


「へ?」



俺は奈々の隣を歩く。



「別に…」


「ふーん…」


奈々はクラブとか初めてだっただろうな……


「悠紀の昔の彼女さん、きれいな人だったなぁ…」


「えっ?」


「みんな私と違う感じの人ばっかだったから…」



確かにけばいのやきれい系の女が多い。



だけど……


「奈々のがいいよ。」


「えっ……?」


「あいつらはめんどいし…」


「………………。」



「あいつと別れたのは俺がだめだったからな。」


「だめだった…?」


「本気の恋がわからなかった。」



俺は奈々を見て言う。


「悠紀も大変だったんだね…」


「まぁな。」


でも…今は。



奈々がいる。



一番一緒にいて癒されるようになってた。


すると


「あ、悠紀〜今日、父さんと母さんいないから〜」


雅也が俺に言う。


「えっ?なんで?」


「いないから呼んだんだよ〜柚と二人きりは嫌だしな。父さん母さんいる時は泊められないよ。」



「そっか。夕飯とかどうするの?」


「ん〜いつも俺だけど…」


「あ、私やります…柚と!」


「えっ?あたしも?」


柚ちゃんが奈々を見る。


「柚は女でしょ?これくらいできないと彼氏できないよ?」


「わかった!やる!」



急にやる気出たな〜


柚ちゃん。


「奈々ちゃん。柚にあまり任せるなよ?」


「へ?な…なんでですか?」


「料理だめ…」


「頑張れば大丈夫だってぇ♪ね?奈々!」


「柚が言うなら…大丈夫じゃ…」


柚ちゃん…奈々……


「奈々は上手いよな。料理。」


「ゆ、悠紀!?」


………あ……


「あれ?悠紀君…食べた事あるの?いつ?」


「いや〜調理実習のクッキーもらったから…な?」


「う、うん…」


「なんか怪しい…」


「うっさいな〜」


そんな俺を見て奈々は笑った