「まだかな〜」
落書きが終わると印刷されるのを奈々と待つ。
「ケータイにも送ったしね!悠紀来た?」
「今見る。」
俺はケータイを出して見る。
来た来た。
俺はプリクラの待受画像をとる。
「とった♪奈々に送るよ。」
「うん。」
ケータイを閉じる。
さっきケータイに着信履歴があった。
……里沙だ。
他には遊んでた女から。
切るしかないかな…
すると……
〈ポトッ〉
「あ、出てきた!はさみで切るね?」
「うん。」
奈々ははさみで切り分ける。
「ぷっ…悠紀…変な顔〜」
「切りながら笑うなよ〜」
「ごめんごめん。」
奈々のが大切……
最低だよな……
でも、こんな最低な俺でも恋はした。
恋はできた。
「はい!」
奈々は切り分けたプリクラを俺に渡す。
「サンキュ。」
「あ…じゃあ、早く帰らないとね。」
……明日から休み。
次、奈々に会えるのはあさって。
なんかな……
「じゃあ、私こっちだから…じゃあね…」
ゲーセンを出ると奈々が言う。
だけど……
「奈々っ……」
行こうとしてた奈々は俺に呼び止められ振り向く。
「……何?」
「ケー番、教えて?電話したい…」
「えっ?いいけど…」
奈々はノートとペンをかばんから取り出し、番号を書くとノートをちぎって俺に渡す。
「夜なら大体いる。待ってるね?」
「わかった。じゃ…」
俺は受け取ると家に向かった。
初めての恋でした。
……奈々…
俺を見てくれる?
こんなんだけど…
俺は奈々のそばにいてぇ。
好きって本当はすごく言いたい。
変な気分だ。
恋はいきなりなんだ……


