「おいしかった〜悠紀の手作り!」


「あはは。また一緒に昼しようぜ。」



俺は弁当箱を閉じる。



食べ終わってもまだ昼休みはあるのか。


俺は屋上の床の上に寝転ぶ。



すると……



奈々も俺の隣。床の上に寝転ぶ。


「あ〜早く学校終わんないかな…」



「あ、ああ。」



俺は隣に奈々がいきなり寝転んだからびっくりした。



奈々さん無防備だな〜


でも……


「悠紀はさ、好きな人いないの?」



…いきなり奈々が聞いてきた。


「へ?なんで?」



「いや、気になっただけ。」


「遊んでるようなやつがいると思う?」


俺は笑って言う。


「そっか。」


「奈々だよ」だなんて言えなかった。



俺に言う権利はあるのか?


こんなやつだし。



奈々は純粋で汚れてない。


こんな汚れた俺じゃだめかな…


「でも…遊びやめるわ。」


「えっ?」



奈々は俺を見る。


「普通の高校生に戻る♪」


「……悠紀…」


奈々のせいかも……


「奈々が言ったからじゃないよ?ただ自分でそう思って…」


「そっか…」



奈々の表情は緩んだ。


「何嬉しそうにしてんの?」


「いや、悠紀が修羅場にならなくてよかったなぁって…」


「え〜?」


「女は怖いからね〜あ、私も女だ〜」


奈々は笑う。


やめても汚れてないわけじゃない。



奈々…俺はどうしたらいい?



お前を好きでいていい?



この気持ちは止まらない。



「奈々はもう〜」


だけど……



ドキ……


奈々はいきなり俺を黙って見つめる。


黙るとやばいし……


俺は奈々の髪に触れる。


「ゆ、悠紀?」


奈々はすぐ顔が赤くなる。


「奈々といるとなんか安心する。」


本当は…もっと伝えたいけど。


今はこれくらいしか言えなかった。