「なぁ悠紀〜俺、妹に貸さなきゃいけないもんあるんだ。付き合って?」


「一年の教室?一人で行けよ〜」


「なんか行きづらいんだわ。お願い!」


悠紀の親友…神川雅也は必死で言う。


「はいはい。わかりました。」



俺は何もきにせず行った。



この時行かなかったら出会ってなかったのかも…



今ではそう思う。











「あ…お兄ちゃん!」


悠紀は雅也と雅也の妹のクラスに入った。



「よ!はい、ノート!」


「ありがとう♪」



すると……



「柚〜電子辞書貸して…」


俺はドキッとした。


さらさらの長い髪に小さい背丈。


柔らかそうで白い肌。


メイクはしてないようだが、かわいらしい。


奈々だった。



奈々と悠紀は初めて奈々達がいつもいる教室で会った。



………だけど、奈々は柚の後ろに隠れる。


「出た。男苦手病。」


柚が言う。



……男苦手…?



悠紀は奈々を見る。



奈々は戸惑っているようだ。


「奈々ちゃん相変わらずだめなんだ…」


……雅也は妹の友達だから前から知ってたようだ。



雅也もだめ…?


まぁ、俺らは派手だからな。



「かわいいからメアド交換したいのにな〜」


雅也が言う。



「お兄ちゃんはだめ!」」



「はい……」


雅也…弱い……


さすが柚ちゃん。



雅也と遊ぶ時、よく柚ちゃんに会うけど結構雅也弱いんだよな〜



「……奈々…悠紀先輩はどうなの?」


柚は奈々に聞く。



「…私、トイレ行ってくるっ。」


「ちょ………奈々っ。」



………奈々は聞かず教室を出た。



「悠紀先輩ごめんなさい。奈々…男苦手みたい…」


「珍しいね…そうゆうの。」


「はい。あ、じゃあ…あたし…奈々見張らなきゃ!さよなら〜」


柚も教室を出た。


見張り…?