「んんっ……」



辛さも寂しさも不安もみんなみんな止まらない…



「……は…」


俺が唇を離すと奈々は顔が真っ赤。


すぐに染まる彼女の頬。



「……奈々?」



「今日は悠紀…激しくない?」


強引だしな。


いつもは優しいからかな?


「止められなかった。俺…だめなやつ。」


「ううん!平気!」



「さらに心臓やばいだろ?ごめんな。」


「言ったよね?悠紀からもらった物はみんな嬉しいの。」


「奈々…」


「治す。私は平気だよ?悠紀。続き、治ったらね?」


「え…」


「悠紀に辛い思いさせたままは嫌。自分が消えるのも悠紀が消えるのもやだ。」



奈々はいつも自分より俺を安心させようとするな。


なんで?


俺を好きでいてくれるの?


「私も我慢してた。安心欲しかったけど恥ずかしいから言えないよ。」


「え…」


「変だよね。他の男の人…本当にだめなのに…悠紀なら平気!悠紀に触れられると安心する。」


「よかった〜じゃあ奈々は俺だけのもの!」


「あはは。悠紀は浮気しないみたいだから安心!」


浮気ってな…


すると


「お父さんと結局…向き合えなかった…」


「え?」


「お父さん、海外行ったって。」


「そうなんだ…」


「だからさ、手術前に手紙をと思ってたんだけどね…」


「え?」



「私に謝りたいって…」



「そうなんだ…」


奈々は過去に色々あったからな…



「前を向くよ。どんな病気でも最後まで戦ってやる。だから悠紀見ててね?私、頑張る。」



奈々はすごいよ。



俺が奈々だったらどうなんだろ……



今日の奈々はなんかかっこよかった。



だから


不安な表情なんか奈々に見せられない。



「ああ。俺が綺麗な看護師さんに目移らないようにな!」


「え〜」


「うそ!奈々だけっす。」


多分


奈々だから本気になれたんだな…この恋は。