すると
〈ギュッ〉
奈々は突然、俺に抱きつく。
か、可愛い…
可愛いよ?奈々さん…
「どうした〜?奈々ちゃん。」
「怖かった…悠紀がいないと不安だったの〜」
奈々は泣きながら俺に言う。
我慢…してたのかな?
叔母さんに甘えないで…
ずっと待ってたの?
「不安…だったよな。俺もだよ。」
あの夢とあの胸騒ぎは…手術の予兆だったのかな?
「……ごめんなぁ…奈々、えらいえらい。」
俺は奈々の頭を撫でる。
奈々も同じ。
俺と離れるのが怖い。
強がってたんだね…
家族の前では…
「大丈夫だから。奈々は強い。俺、祈る。」
俺はぎゅっと奈々を抱きしめる。
「……悠紀…ごめんね。いきなり手術とか…」
「平気。奈々は助かるよ?信じよう?」
「うん。ありがとう…」
こんな綺麗な心がある奈々をこれ以上傷つけないで……
「ほら、お守り。」
俺はさっきフェルトで作った人形を奈々に渡す。
「わ〜悠紀だ!お守り増えた〜嬉しい!」
俺は笑う。
「悠紀パワーで大丈夫な気がする!」
「ははは。」
「悠紀には感謝いっぱいだ…」
奈々は人形を見て言う。
「お守り多い…よな?」
「ううん!一つは縁結びで…もう一つが健康でこれは悠紀君パワー♪」
「なんだよそれさ〜」
「でも、みんな効果別でしょ?」
「そんなに嬉しいか?」
「悠紀からもらったのはみんな嬉しいよ?」
奈々は大丈夫みたいだな…
少し安心。
奈々…頑張れよ。
「悠紀がいるから奈々は死ねないもん!」
「あはは…俺もだな。」
すると
急に静かになる。
二人きり……
離したくないよ…奈々。
「悠紀…?」
〈グイッ〉
俺はいきなり奈々にキスした…
ただ強引なキス……


