「悠紀、これな。」


交差点の信号が赤になると親父が俺に渡した。



「……え?」




親父が渡して来たのは向日葵の花束。



「俺が由美に告白した時の花。」



由美さんは笑って俺を見てる。



「夏だからな…」



そうだ!



奈々に



俺は変な作戦を立てていた。









「悠紀先行けよ?俺らは車入れたり色々やる事あるから。」


「はーい…」


俺は車を先に出て病院に入る。



奈々の病室へ向かう…









「あら、悠紀君〜昨日ぶり!」


看護師さんに途中…声をかけられる。


「はい。」


「駆け落ちごっこ楽しかった?」


「ははは…楽しかったっすよ!」


「奈々ちゃん…今日ね。頑張るわ…私らも。」


「はい。奈々なら大丈夫!」


俺はそう言うと再び病室に向かう。









《林奈々》


この病室に来る度


緊張する……


でも





〈ガラッ〉



「よっ!郵便物の悠紀君と向日葵さんでーす!」


すると


奈々の叔母さんが笑って俺を見る。



恥ずかしい…


でも


奈々を安心させるためっ!


すると


奈々は涙を流す。


げげっ…


俺やばかった?



雅也並みに馬鹿な事した〜


キモかった!?



「奈々〜キモかった!?ごめん!手術前に…」



すると奈々は笑う。


あれ?



「悠紀のばか〜」


ばかって奈々に何回言われたかな…


「ごめん!でもなぜ泣く?」


「だって…悠紀に会いたかったからずっと待ってたの…」

や、やばい…

こいつ本当素直……

「昨日も会ったよ?」


「今日…会いたかったの。」



奈々ちゃん……


「あ、あたし向日葵やっとくわね?」


奈々の叔母さんは気を使ったのか花束と花瓶を持ち病室を出た。