すると
「奈々ちゃん見習って私も頑張るわ。」
由美さんがお腹を見つめて言う。
由美さんのお腹には俺の下になる子がいる。
弟でも妹でも
大切にしたい…
「赤ちゃんもきっと奈々ちゃんに会えるの楽しみにしてるよな。」
「そうよ〜だから最後はみんなで幸せがいいのよ。」
由美さんには感謝だ。
最初は親父と年が離れてるから不安だった。
でも
いい人で……
まだ母さんとか言うのは恥ずかしいけど
俺の中ではもうすっかり親みたいだ。
家庭崩壊を経験したから…
今回も不安だった。
でも
二人ならきっと上手くいくと俺は思う。
「いてっ…」
針刺さった〜
俺、裁縫できるけど最近してないから……
でも病院に着くまでは完成するはず。
「…悠紀君はいい旦那になりそうだわ。あなた料理と裁縫だめだしね。」
「由美はもう…」
親父と由美さんが話してる。
車内はいたって普通。
だって
不安な表情ばかりしてると奈々に会った時困るから。
親父も由美さんも俺も
辛さ不安みんなみんな心にしまいこむ。
「でーきた!」
自分の人形作るのってキモいけど
奈々のためだ〜
でも
変…かな?
「あら、かわいいわよ?悠紀君似てるし…」
「似てるんすか…」
なんか複雑…
由美さん褒めてるんだけどさ。
すると
………あ…
病院が見えて来る。
突然不安が押し寄せて来た。
奈々の前ではどうしようとか
くだらない事を考える…
いきなりだったのはきっと…
奈々が昨日抜け出したからもあるかも。
早く自由にみんなさせたいんだ…
彼女を…
俺もそう。
奈々と縛られず自由にしてたいから…


