お願いだから


神様………



俺はどうなってもいいんだ



だけど


彼女だけは……



奈々だけは……


本気で…やめてくれっ…………


俺はただずっと叫んでた。



だけど



〈♪〜♪♪〜♪♪〜〉



…………え?



目覚ましの音。


でも…


時計……




「悠紀君!起きなさい!!」




……………え!?


急に世界が変わる。



「なんで泣いてるの…?」


目の前には由美さんが…



ん?


じゃあ夢?




涙と汗がひどい。


夢の中で叫んでたんじゃない……


寝ながら俺は叫んでたのか…


喉がおかしい。


「ごほっ……え?ケータイ鳴ってなかった?奈々の叔母さんから。」


「は?悠紀君〜寝ぼけてるわね。目覚ましだけよ?」



はっ…


俺はケータイを見る。


着信履歴……


雅也しかないし…


夢にしてはリアルで恐ろしかった……



なんて夢……


つか、縁起悪いな…


正夢は勘弁…


「何の夢見たの?」



由美さんは俺を見る。


「奈々が…いなくなっちゃう夢。」


「やっぱりね…大丈夫?顔色が…」


「すみません…」



「とにかく何か食べよう?すぐ出るし。」


「…………はい?」



「奈々ちゃん、急遽…今日手術らしいわ。なんか昨日の夜…発作起こしたらしいし…手術のメドがついたらしいから。」


「あさってじゃないのかよ……」


あんな重い夢…


現実に起きたら俺は自殺したのかな…


多分、あの後…奈々を見たら…


よかった…夢でですまない。


まだ戦いは終わってない…


今日で正夢かただの夢か決まってしまう…



お願いだから…


奈々を……


「悠紀君なら大丈夫よ…叫ぶほど奈々ちゃんを大切にしてるから。」


由美さんが言うと俺は小さい子供みたいに由美さんの手を握った。