〈♪〜♪〜♪♪〜〉
朝。
さっきからケータイがうるさい。
雅也かな?
あいつ電話くれたし。
う〜眠い…
俺は起き上がらない。
でも
なかなか止まない着信音。
雅也じゃなかったら…?
俺はやっぱり出る。
「…………はい?」
「あ、悠紀君!?」
「おばさん……」
奈々の叔母さんから?
でも何故??
すると
「………ック……」
え………
泣いてる…?
なんで…
心臓が嫌な音をたてる…
「奈々が……朝…亡くなったの………」
「……………え…」
冗談言わないで下さいよ?
奈々が死ぬわけないでしょう。
頭に言葉は浮かぶのに
声が出ない……
出せない……
嘘って言えよ…
「朝、突然ひどい発作を起こして……手術ね、あさってにしようと先生と昨日の夜話してたのっ……なのになんで……ック…」
夢って…誰か言えよ。
奈々は大丈夫だって……
なんで?
約束したし。
退院したらあそこに行こう。
退院できるよう頑張る。
俺が奈々にお守りを作る。
奈々と来年の夏、宝物を掘り出す。
奈々を俺のお嫁さんに……って。
なんで?
どこまで俺を苦しめるつもりだよ?
なあ…奈々。
お前は
生きてるよな…?
「悠紀君…?」
本気で……
奈々は昨日元気だったよ?
入院してもあまり苦しそうにしてなかった…
なあ……
なんで……あいつ?
俺にしろよ……
あの時
事故で俺が死んで奈々が助かってるほうがマシだった。
奈々を一人にするなよ……
夢だよ……夢だよな?


