「あった……」
海に行くと目印に大きな石が置いてある。
なんとかどかし、手でそこを掘る。
……あ…
掘るとだんだんピンクの箱が見えてきた。
奈々の…かな?
来年見よう。気になるけど…
俺も箱を出す。
親父が見舞いに買ってた飴の空き箱。
その中に奈々と撮った写真や思い出の品、そして……
手紙。
また来年の今日…
二人で来れるよな?
来年になったらもっと遊ぶから……
来年、お互いの宝物を見せ合う。
夜になると星がきれいで……
昔の人が夜には星と月明かりを頼りに歩いてたのが分かる。
とても綺麗で……
もし暗闇を歩くのが君なら…
俺は君を照らすものになりたい。
そう思った……
明日は何話そうかな……
駅に向かった……
「悠紀には驚いたよ。全く…」
家に帰ると親父と話す。
「好きなやつのためなら何だってできる気がするのわからない?」
「全く…悠紀は今、子供に戻ったよな…」
「そうかな…」
「子供の時、手かからなかったからな。俺と母さんが離婚する時も泣かなかった…」
「俺は強いから…」
「俺のせいだよな…悠紀は辛いのに頑張って……」
「大丈夫だよ。今は幸せだからさ…」
親父と語り合える日が来るとは思わなかった…
ずっとすれ違いだらけだったから……
「……風呂入ったらもう寝なさい。」
「はい……」
だけど何か胸騒ぎがした…
また俺の心配性か?
風呂に入っても布団に入っても落ち着かなかった……
またもう一つ傷が増えるのは嫌だった…
ケータイには雅也の着信履歴があった…
明日…かけるか。
俺は眠った…
久しぶりの家の布団……


