「帰るぞ?」
「う、うん……」
多分四発殴られるな。
でも
「治るまでデートはもう我慢だぞ?」
「うん…」
奈々は寂しそうな顔。
「毎日会えるから。…な?」
そう言うと奈々はにっこりと笑う。
でも…
「悠紀、もう帰らなきゃなんだね…」
「ああ…奈々体大丈夫?」
「なんかだるくなってきたかも…」
「辛い…のか。よし。」
俺はしゃがみ込む。
「悠紀…?」
「ほら、おんぶしてやるから。」
「やだ…恥ずかしいもん。」
「じゃあ歩く?」
「……っ分かった…」
俺は奈々をおぶさる。
「重い〜」
立ち上がるなり俺は言う。
「なら降ろして〜」
「嘘嘘!軽いよ。奈々…細いしな。」
「やらしい…」
俺は笑う。
「奈々落ちるなよ?ちびっこだからな。」
「落ちるわけないし。」
重いけど歩いていく。
「え?このまま電車乗るの…?」
「イスに座るまでな。」
「う、うん…」
だけど
「あ〜満員電車だ…」
時間的に悪かったか…
まぁ乗る時間そんな長くないし。
奈々を降ろして二人で電車に乗る。
「悠紀〜満員だ〜」
人に押されながらも電車に乗る。
奈々が離れないように手を引く。
「悠紀〜」
「奈々おいで。」
俺は奈々を抱きしめる。
「大丈夫か…?」
「う、うん…」
「本当混んでるな〜」
「悠紀〜やばいよ。心臓ばくばくなる…」
「奈々守ってんだぞ?あ、体大丈夫だよな?」
「へーき…」
「よかった。」
電車から降りるとまた奈々をおんぶ。
「今日はかなり悠紀にドキドキだよ。心臓悪いのに…」
「俺のせいで悪化?」


