でも
そんな嘘は奈々のため。
優しさだと思って。
「悠紀〜絵馬書こう?」
「ああ。」
絵馬を買うと早速奈々は絵馬に何か書いてる。
「何願う?」
「ん?悠紀は?」
俺は絵馬に願い事を書く。
「……これ!」
俺は奈々に見せる。
《奈々の旦那になれますように。 悠紀》
すると
「あ、同じだぁ〜」
奈々は笑って言うと俺に絵馬を見せる。
《悠紀のお嫁さんになれますように☆ 奈々》
「本当だ。バカップルだな。つか、奈々…さっきのお参りと同じ内容?」
「ううん!悠紀は?」
「俺は似た意味だから。」
「気になる〜でも私もお参りも悠紀関係だよ?」
「へぇ〜叶うといいな。」
「うん…」
奈々…?
「悠紀、水族館行ったら帰るの?」
「ああ…昼食って…心配するだろ?叔母さんら…」
すると
「帰りたくない…」
奈々は俺を見つめる。
帰りたくない…
奈々は…奈々は…
「どうして?」
「だって…悠紀殴られちゃうよ…叔母さんらに。」
「四発は確実だな。親父と由美さんと奈々の叔父さんと叔母さん…」
「や、やだよ…」
「大丈夫だよ〜奈々のためならなんて事ない。男だし…」
「悠紀、ケンカ強いんでしょ?私ストーカーしたの殴った時なんか有名になってたし…そんな悠紀が殴られるなんて…」
「奈々の代わりに8発でもいいよ。俺は男だよ?好きな女のためにすごく傷ついても平気でいなきゃ。」
「………悠紀〜」
「奈々に会わせない言われたら夜中でも会いに行く。俺は絶対離れないって約束するよ。」
「悠紀…ごめんね。今日…私…」
「いいってば。俺楽しいし嬉しいよ。奈々といられるから…」
「じゃあ、奈々も殴られる。」
「奈々は女だ…」
「悠紀と一緒がいいの。」
そう言うと俺の手をまたぎゅっと握った。


