「だめ。」
「なんで?」
「お前な…余計心臓おかしくなるぞ?」
奈々は大切だから……
前みたいに奈々をそんな目で見ない。
今は君がいるだけで…
「私は大丈夫なのに…」
「なぁ、奈々。俺はさ、気にしないよ?気使ったらだめ。」
俺はそう言うと奈々の頭を撫でる。
でも
「気なんか使ってないやい。」
奈々はソファーに置いてあったクッションを抱きしめながらすねる。
「奈々〜」
奈々は俺を避ける。
奈々どうしたんだろ…
「悠紀のせいだから。奈々が泣き虫になったの。」
奈々……
「うん。じゃあどうしたら泣き止みますか?」
俺は奈々の手を握る。
「そんなの…」
全く困ったさんだな。
〈ポサッ〉
俺は奈々の頭にタオルをかける
「わっ…」
「風呂入れば?気持ち悪くないか?」
「う、うん…」
「俺は奈々の次な。」
奈々は俺を見ると風呂に入る用意をする。
幸せなデートなはずなのにお互いなんだか切ない……
久しぶりにテレビをつけてみる。
恋愛ドラマをやっていた。
何気なく暇だから見てみた。
でも
現実とは違う。
彼女と何気ない事で別れたり…
普通はそうなのかな?
でも違うよ。
俺らには問題ありだけどそんなんでお互いつき離せるほど緩くない。
俺は一度付き合いに失敗した。
だから
彼女とかできるとか考えてなかった
でも
気がついたら大切で気がついたら愛しくて…
俺が俺じゃなくなるようになっていった
好きって辛いな…
でも好きだから側にいたい
俺はちゃんと奈々を幸せにできてる?
「いい湯だぁ〜悠紀も行きなよ?」
奈々が出て来た。
「おうよ。」
俺は風呂場に向かう。
奈々を残して……


