「悠紀がいなかったら私どうなってたのかな…」


奈々は


俺と出会う前はどうだったのかな……


いっぱい泣いたりしたのかな…


「奈々、今は俺がいる。だから苦しかったら言えよ?」


「平気だよ。一緒にいるだけでさ〜」


そばにいる事しかできない……


俺ができるのはただ


君の幸せを願い側にいるだけという現実


辛くないわけないだろ。



誰も奈々を奪うなって何度願うと思う?



奈々が卒業したら結婚とかそんな約束とかをただ信じたいのに……




「奈々、おいで?」


奈々は俺の布団に入る。


「夏だから暑いよ〜」


「いいから。」


「悠紀〜」


でも


そんな奈々もいつもみたいにすぐに寝るんだ。


まるで安心した〜って感じ。


さっきも寝たのに……


でも


俺も奈々の髪を撫でると眠った。


きっと看護師さんとかまだ俺にくっつく奈々を見て止めるかな?


でも今はただこうしていたかった。


そばにいたかった。


ずっとこうしていたい……


俺は安心したかった……


いきなりの事故とかあったし……


奈々の前から消えるのも嫌だし



奈々が離れるのも嫌だから……


それを今日はかなり強く思ったんだ…










その後は俺が爆睡。



次の日の朝になってしまった……


奈々はそばにいないし、病室を見てもいなかった。



やば……


待ち合わせの海に向かうため、こっそり抜け出す用意をする。


私服に着替えて帽子を被りかなり変装。


看護師さん達にばれないよう慌てて病院を出た。


まだケガ少し痛い……



ちょうどいい時間だった。


奈々は先にいるのかな…



約束してたから…


あの海に行くって。


奈々は大丈夫だよな?


奈々の体が心配。


でも


行かなきゃ……