願うものはみんな君の事。
君が元気でいられるように。
君とずっとずっと一緒にいたい。
君を守れる強い男になりたい
みんなみんな……
俺は確かに変わったのかもな。
親父も雅也も…みんな言うのが分かる。
前の俺では考えられなかたから。
そうなったのは奈々のおかげだな……
……奈々…
すげぇ好きだよ。
でも
そんな言葉だけじゃ足りない……
奈々の病気が治って奈々が幸せなら俺はいいから……
もしあの時死んでたら俺は自分の命を奈々にやりたいと思った。
自分より奈々になってたんだよな。
でも
一人になったら奈々はいっぱい泣いて苦しむ。
奈々は寂しがり屋だから…
前、離れた時…やっぱりすごく苦しかったと思う。
今…俺が君にできる事は
ただそばにいるだけなのかな……
「悠紀〜どうしたの?」
奈々は俺を見る。
「奈々さ、手術いつなの?」
「あ、昨日ね…来週あたりって先生が言ってた…」
「大丈夫?奈々〜」
柚ちゃんは心配そうに奈々を見る。
「大丈夫だよ〜」
願う事しかできない…なんてな。
「大丈夫さー奈々ちゃん。悠紀君パワーがある!」
雅也が言う。
「どんなパワーだよ!」
俺が言うと奈々は笑った。
こんな楽しい時間がもっともっと欲しいよ…
「じゃあなー」
「また来るね!先輩、奈々〜」
夕方になると二人は帰った。
雑談したりして楽しかったな…
病院なのに学校の休み時間みたいだった。
「楽しかったね!悠紀。私、学校行きたいな…」
「今、夏休みだし…夏休み以内に病気治せばさ、あっという間だよ。」
「うん…」
奈々は寂しそうな顔をする。
……奈々?
「宿題やってない…」
「病気よりそれ?」
俺は笑って奈々を見る。
でも奈々はたまに俺を不安にさせる…


