「あ〜マジで死にたくなかったよ…」
「私も…苦しかったよ…」
奈々は俺の手を強く握る。
「あ〜奈々にすごく会いたかったよ。」
俺は奈々の髪に触れる。
離れたくないよ…
奈々にすごく触れたかったよ……
「奈々…」
「ん?何?」
「ごめんな。こんなんになって…」
「大丈夫だよ悠紀。悠紀のそばに長くいられるんだよ?私嬉しいもん…」
「ありがとう…」
「なんか悠紀にありがとうって言われると変な感じするなぁ…」
「なんだよ〜」
「でも……悠紀がいるから奈々は辛くないんだよ?」
「ああ…」
素直でかわいらしくて…すぐ態度が顔に出て…俺になつっこい。
そんな奈々がただ大切でただずっとずっと大好きなんだ。
すると
「悠紀…明日、病院抜け出す?」
「え………」
俺は奈々を見る。
「行きたい所ある……」
「退院したらで良くないか?」
「お願い…」
……奈々…?
奈々は俺を見つめる。
不安…だよ……
大丈夫だよな?
「奈々…でも病気…」
「平気だから。悠紀にね、見せたいものあるし。」
「見せたいもの?」
「うん…」
「不安だよ…俺…」
「大丈夫だから。悠紀に辛い思いばっかさせたくないだけだよ?」
「奈々…」
「明日の朝、私が先に行くから。悠紀は10時にあの海来て?」
「わかった…一人で大丈夫か?」
「大丈夫♪最強奈々だから〜」
「なんだそれ。」
大丈夫か…
奈々は俺と遊びたいだけ…だよな?
不安だけど奈々はやめないだろう。
「わかったわかった。じゃあ…元気で行けよ。」
「うん…」
すると
〈ガラガラッ〉
「ゆ、悠紀君〜」
……げっ…
雅也がうるうる目で俺を見る。
その後ろには柚ちゃんがいる。


