俺は奈々を見る。


ずっといたんだ…


眠れない時もあったのかな…


奈々は病気なのに…


俺のそばにずっと……


いっぱい泣いたのかな…



「……ありがとう。奈々。」


奈々は俺を見る。


「すごく心配したからね。」


奈々はそう言うとケータイを見つめる。



すると


「あ、来た…柚からだ…」


奈々はケータイを開く。


「雅也先輩…柚と今家出るって…」



「友情も熱いからな。」


「友情も?」


「俺らは違うの?」


大人がいるのに俺は言う。


「そ、そうかもだけど…」


すると


「あたしら居て良いのかしら?」


叔母さんは笑って言う。


「え……」


「悠紀君のお友達も来るみたいだし…今日は先生と話したら帰るわ。あ、桜沢さん達は…」


奈々の叔母さんは親父と由美さんを見る。


「じゃあ…俺らも…」


「ええ…」



三人は出て行く。


みんな心配してたから見に来ただけか…


でも奈々とまた二人!


「病室。なんで悠紀と同じじゃないかな…」


「同じベッドは?奈々に子守唄…」


「いらないし!」


「だよな…一秒で寝るし…」


「そんな事ない〜」


奈々は俺を叩く。


「全く…ちゃんと寝れた?食べたのか?奈々…痩せたみたい…」


「え…ガリガリじゃないよね!?」


「いや…そんなひどくないけどさ…いつも見てるから変化…すぐ分かるよ?俺は…」



「悠紀は?大丈夫?」


「俺は普通。意識不明だっただけで…あ、ケガはまだ少し痛むな…」


「そっか…」


「奈々は痩せた以外は何もなかった?」


「平気…でも…」


「……ん?」


「あ、いや…お腹空いたとゆーくらい…」


「そうだよな…」



奈々は本当に大丈夫か?


そんな風につい思ってしまう。


でも


奈々の病気は悪い…



その事実は消えないんだよ…