「今度は写真じゃなくて二人で行きたいな。」


奈々はにっこりと笑う。



でも


不安はどこまでも俺を苦しめる……



〈ガラッ〉


「悠紀君!?」


奈々の叔母さんが来た。


その後ろには親父と由美さん。


「心配したのよ…」


「すみません…」


奈々は俺の手をぎゅっと握っている。


「奈々だけじゃなくて悠紀君まで大変な事になったらあたし…」



奈々の叔母さんはいい人だ。


俺をもう息子みたいに思ってるようだった…



「すみません。悠紀…よかった…」


親父も安心した表情で言う。


親父の顔色は良くない。


心配してあまり寝れなかったのかな……


「よかったわ…奈々ちゃんずっとここにいたみたいだったし…」


由美さんも笑って言う。




「でも悠紀君よかったわ。まだ退院しないし…奈々ともう少し長くいられるみたいよ?」


「よかった…」


病院はやだけど奈々と長くいられるなんて……



すると


「悠紀、雅也先輩がね…意識戻ったら会いに来るって…柚からメール来た…」


「そうか…」


事故の日…あいつと約束してたしな。



「……ん?奈々…なんでメール…」


叔母さんが奈々を見る。



「えと…」


「ケータイ取ったわね?」


「だって〜悠紀と連絡…」


「だめよ!」


叔母さんは奈々が隠し持っていたケータイを見つけ、取り上げた。


「叔母さん〜」


「我慢!」


「じゃ、柚にせめて連絡を…雅也先輩の事で…」


「はいはい…終わったら返しなさい?」


奈々の叔母は奈々にケータイを戻す。


「ありがとう…」


奈々はケータイを開く。


やっぱり早打ち……



「でもよかった…奈々ったら食欲無くすし悠紀君の部屋じゃなきゃ寝れないってわがまま言ったりしてたから…」


「え……」


「叔母さん〜」


奈々は顔を赤くして叔母さんを見る。


「本当じゃない〜」


「う〜」