俺は大丈夫だよ…


だから奈々も……


「……悠紀……離れないでね?」


「うん……」


大丈夫だよ…奈々……



すると


「悠紀…」


「ん?」


奈々は俺にキスをする。


長く優しい……



な、奈々さん?


奈々は唇を離すと俺を見る。


「悠紀にやられっぱなしやだからね…」


奈々はそう笑って言う。


やば…そんな積極的だと俺やばいよ…?



「奈々。そんな事していいのかな〜?」


「え…」


俺は奈々以外絶対無理…



こんなに可愛らしくて…優しくて、俺になつっこい奈々が大好きなんだ…


「悠紀…私…すっごく悠紀がいないと怖かったよ…」


奈々は俺を見つめて言う。


「俺も奈々がやばいくらい好きだし…あのまま死んでたら俺…」



考えると怖かった…

奈々を一人にするのは無理で……


一人だけあの世いきなのも……


「悠紀…私、一人は嫌…一人で生きるのも死ぬのも怖いから無理だよ…」


「奈々…」


「悠紀がいない世界は私は変な感じする。」


「変…?」


「色がないみたい…」


「何だよそれ…」



「だからさ、私も頑張るね。」


「ああ…」


すると


………あ……


「奈々、俺のかばん…」


「え…」


奈々は俺のかばんを取る。


「はい。」


奈々から受け取り、俺はかばんをあさる。


「…割れてる…」


事故の衝撃で海で取ってきた貝が割れたようだ。


「……貝?」


「奈々に波の音だけでもと思って…あ、ケータイ…」


ケータイは無事だ…


「悠紀、ケータイ禁止…」


「いや、見せたいものあるの。」


「え……」



俺は写真を見つけて、ケータイを奈々に見せる。


画面には夕焼けがきれいな海の写真…


「事故の前の日…奈々に見せたくて撮った。」


「あの海だぁ…」


奈々は笑ってケータイを見る。