俺はずっとさまよう。


どこが光か…


どこが闇か……



死にたくない……


奈々を置いてなんか……


そのまま意識は切れる……









「悠紀…まだかな…」


何も知らない奈々はケータイを見る。


「叔母さんからこっそり取り返したし…メールしようかな…」


すると



〈ガラッ〉



「奈々!悠紀君が!」


いきなり叔母さんが入って来た。


「え…叔母さん…何?」


奈々は不安な表情で叔母さんを見る。


「交通事故に遭って…今、意識不明なの…」



「………え………」



奈々は言葉が出ない。


「このまま意識がだめだったら…悠紀君は…」


叔母さんは涙を流す。


「嘘…なんで悠紀なの?私じゃなくて…」


「奈々…?」


「私のせいだ…」



奈々はその場に崩れ落ちる。



「奈々、とにかく行こう?」


叔母さんは奈々を支える。


「私……」



「……奈々、大丈夫よ。きっと…ね?」


「やだよ…悠紀…」


奈々はテーブルに置いてあったマスコットを見る。


奈々は昨日、悠紀のマスコットを作った。


似てるかはわからないが悠紀にあげたくて奈々は作っていた。



「……これ持って行く。」


「うん…」


叔母さんは奈々を支えて歩く。


奈々からは涙だけが流れて言葉は出ない。



「……悠紀…会いたいよ。」


病気も悠紀の事故も奈々にとっては辛い苦しいもの……



〈ガラッ〉


ドアを開けると悠紀は眠っていた。


傷だらけでただ目を開かない……



「悠紀……」


奈々は苦しみから開放されたくて仕方ない。


「なんで…いなくならないでよ。私は大丈夫だから…悠紀がいないと私…」


「奈々…」


「悠紀なんか大嫌い…もういいんだから…」


奈々は涙を流しながら言う。


「奈々…」



「ごめん…叔母さん…いられない…」