怖い夢。
ただ俺がずっと暗闇の中でうずくまっている夢……
だけど奈々には届かない…
奈々には届かない……
行かないで……
…………はっ!
すごい汗……
もう朝だ。
早く奈々に会いたくて早く寝てしまった…
子供か…俺は……
でも…なぜか不安なんだ………
怖い気持ちがまだ……
〈♪〜♪♪〜♪…〉
ビクッ……
俺はケータイの着信音に気付く。
誰だよ…ねぼすけに向かって………
…………え……
ケータイには【奈々】の二文字……
あいつケータイ……
俺は出る。
「はい…」
『悠紀…会いたい…』
「は?どうした?」
奈々…?
さっきの夢が頭から離れない……
「なんだよ?」
『…今日…お父さん来るらしくて…』
「奈々のお父さん?」
ひどい父親だった…
奈々も柚ちゃんも言ってた。
なんで…
音信不通じゃ…
『叔母さんが調べて連絡したの…会っときなさいって……』
「奈々…」
『会いたくない…』
俺は親父と最近仲良くなった。
昔はいろいろあったけど……
でも奈々は難しい…
昔いろいろありみたいだし……
「わかった。今すぐ行くから…」
俺は慌てて家を出た。
この先を予測できるはずもなく…
バイク買いたいな…
バイトやっぱりしようかな…
そう考えてた時だった。
……げっ…信号チカチカしてる。
俺は慌てて横断歩道を渡ろうとした。
すると
〈キキーーーッ〉
〈ドンッ〉
慌てて来た車が突然俺を……
「きゃぁ〜」
ただ意識がもうろうとする。
なんで?俺…どうなるの…?
奈々……
どこか痛む…
目を開ける気力も立ち上がる気力ももう……