「ただいま…」
「悠紀。お帰りなさい…」
海の写真と貝殻を持ち帰り、俺は家に帰った。
男一人子供みたいに貝殻を拾って海の写真を撮っただなんて親父らには言うわけない。
「奈々ちゃんは?」
「ん…また明日朝行くわ。」
「そうか。」
俺は部屋に向かう。
親父は心配そうな表情で俺を見ていた。
俺は大丈夫だ…
奈々も…
そう信じたい……
すると
〈♪〜♪♪〜♪…〉
「あ……」
部屋のベッドで寝ていると雅也から電話がきた。
俺はすぐに出る。
「はい……?」
『あ、悠紀〜あのさ、明日なんだけど…遊べない?』
「あ?明日も奈々の見舞い…」
『いや、面会時間終わったらとか…』
「ん〜親父らに言えばなんとか。」
『明日夕飯一緒しねぇ?』
「あ〜由美さんに言っとく。どうした?」
『ちょっとな。』
「そうか…しばらくお前とは遊べないしな。夕飯くらいなら…奈々が良くなるまで俺は…」
『わかってるって。俺も礼がそうなったらな…』
「ああ…」
『あのさ、明日…バイクで柚連れてくから…そのまま夕飯…』
「あ〜柚ちゃん…奈々に会いたいよな。いいよ?」
『邪魔して悪いな。』
「いいって…友情も大切だからな。」
『だよね〜俺と悠紀君も熱い友情…』
「いちいちうざいぞ?雅也…」
『毒ありは変わらないんだから悠紀は…じゃあ…』
「ああ…明日メールして?」
『はーい…』
電話を切る。
雅也と柚ちゃん明日来るのか……
完璧二人きりはないみたいだ……
明日は早く会いに行くか。
だけど俺はまさか…
あんな事が起きるだなんて知らなかった…
変わらない毎日がだんだん色を変えていく…
そして苦しみも……
ただ側にいたくても願う事しかできないんだ…


