〈ガラッ〉
「あら…」
奈々の叔母さん達が帰ってきた。
奈々と悠紀は爆睡している。
「悠紀君と二人になりたかったのね…奈々。」
「ああ…悠紀君なら奈々を救えるよ…」
そんな事を二人が話してるのを知らずただ二人は幸せそうに眠っていた…
「……悠紀。悠紀…ってばぁ…」
俺はただ眠る…
奈々の声だけがする……
「悠紀起きて!」
………はっ!
「奈々…」
俺は起きる。
目の前には奈々。
「……ん?何……」
「悠紀…時間が…」
「あ…寝過ぎたな。」
すると
「悠紀君。また明日来てね?」
奈々の叔母さんが笑って言う。
その後ろでは奈々の叔父さんも笑っている。
あ〜もっと側にいたかったな……
「悠紀。寂しいけど…また明日ね。」
「ああ…」
すると俺は気付いた。
奈々の枕元には俺が前に奈々にあげたぬいぐるみとマスコットが置いてある。
「ぬいぐるみ…今日抱いて寝るね…」
奈々は笑って言う。
「俺だと思って?」
「ばーか。」
だけど
「じゃあな…また明日。」
「うん。またね…」
“また明日”が今日はなんだか切なく感じた…
突然すぎた彼女の病気…
明日も会いたい……
「あ、おばさん…これ…」
俺はこっそり奈々の叔母さんにケータイを返す。
「ありがとう。」
すると
「悠紀…何何〜?」
何も知らない奈々は気になる様子。
「なんでもない!じゃ!」
「ちょっと〜」
病室は嫌いだ…
奈々はなんであんな所にいなきゃいけないんだ…
早くあそこから連れ出して奈々とずっとずっと一緒にいたいのに……
切ない気持ちのまま…病院を出る。
いきなりすぎたよ…本当に…


