すると


奈々は俺の服の裾をつかむ。


「だ、だって…」


「………?」


「悠紀といっぱいいっぱい話したい。」


奈々は顔を赤くしながら言う。


「すぐ赤くなるね〜奈々ちゃんは。」


俺はからかう。


「うぅ…悠紀はずるいよ。照れたりいつドキドキしてるかわからない〜」


「わかんないから俺はいいんだろ?奈々はわかりやすいからかわいいんだし。」


「うっ…さらに悪くなったら悠紀のせいにするから〜」


「あはは。俺は奈々をドキドキさせるのが楽しいんだな♪」


「悠紀〜」



奈々とはずっとこうしてたいな……


早く大人になって奈々をこんな所から出して二人でいろんな所に行きたいな……


「奈々。俺はさ、何があっても離れないからな?」


「えっ?」


「病気なんか奈々にはちょろいもんだろ?」


「うん!悠紀がいれば大丈夫♪」


「じゃあさ、治ったら…いっぱいいろんな所行こうか。」


「うん…旅行とか。あとは〜」


「治せよ?絶対。」


「うんうん!」


子供なんだから…



「悠紀…ありがとう。」


奈々は俺を見る。


君にありがとうと言われる度…俺は辛く切なくなんだか不安になる。


ごめんとありがとうは俺にはなんか辛い言葉で…


「なあ、奈々。」


「ん?」


「いなくなるなよ?」


「何言ってんのさ?」


奈々は笑って言う。


俺はぎゅっと奈々を抱きしめた。



「悠紀…?」


奈々だけは連れて行かないで……


昨日の夜からじゃない…


それはきっと奈々に出会った時から……


恋とかよくわからなかった俺…


でも…奈々は違ったから。


ただ大切にしたいだけなんだよ…


俺は奈々にキスをする。


なんか久しぶりな感じがした。


大人らがいるとできないから…


すると



「ゆ、悠紀…」


奈々は戸惑う。


「二人きりだと俺は変わるからな?」


「……えっ……」