奈々はこんな場所にいる。


辛いよ……


「悠紀。私…手術怖いけど…受けるね?」


「奈々…」


「大丈夫。奈々は無敵だ♪」


奈々は俺の手をぎゅっと握って言う。


だよな……


奈々なら大丈夫だよな?



「…よかった…」


「うん♪」


俺の一番恐ろしい事は奈々がいなくなっちゃう事。


奈々がいなかったら俺は………




「あ、あそこだ!ね、ポテチ買おう♪」


「ああ…」


「悠紀は何好きだっけ…」


「ん?俺は〜」



すると



「林さん。あなた…おとなしく寝てなきゃ!」


いきなり看護師が来た。


げっ……


奈々は俺の後ろに隠れる。



奈々ってば……



「あなたも気をつけなさい?林さんの病気は気をつけないと…」


……ドクン……



看護師に言われるときつい。


奈々は……


「大丈夫ですよ♪私は強いから。あ、悠紀…帰ろう?」


「…ん?ああ…」


奈々は平気な顔をしている。



なんで…?






「全く…あのおばさんうるさいよね?」



「……奈々。」


「………ん?」


気をつけないと…って…


不安になるじゃんか…


奈々はなんで



「俺ばっか不安だよ。」



「…私だって本当は不安だよ?」


「………えっ?」


「でも…悠紀心配するもん。それに…強くならなきゃ。」


「……奈々…」



「あ〜もう…悠紀ともっと二人きりが良いよ〜叔母さんら毎日来るって…」


「仕方ないだろ?奈々は病人…」


「うぅ…だって…病室で寝てなきゃだめ言われたし…」


「じゃあ今度俺が連れ出すか?」


「えっ……」


奈々は顔が赤い。


「ふっ…冗談だよ?マジにしただろ?」


「なっ…悠紀のばか〜」


二人で病室に向かう。