奈々は辛い……
俺に本当は……
「はじめまして。俺は悠紀の父親です。隣にいるのは妻の由美…」
「よろしくね。」
「はい…」
奈々って人見知り?
それとも男苦手病か?
親父に対して?
すると
奈々は俺を見つめる。
何か言いたげ……
仕方ない…
「悪い。親父…奈々と話あるから少し出る。」
俺は奈々を連れて行く。
どうしたのかな…
「……ゆ、悠紀?」
「なんか話ある系だろ?」
「ないよ…戻らないと心配しない?」
「平気だよ。」
俺は奈々と歩く。
「体調平気?」
「ん?平気…」
「よかった…」
「悠紀のが心配だよ。」
「なんで?」
「心配だから…」
「お前は自分の心配。」
「そうでした…」
「…全く…」
側にいるだけでいいかぁ……
由美さんの言葉を思い出した。
「悠紀。叔母さん達心配しちゃう…」
「奈々は大丈夫なわけ?」
「え?」
「さっき…」
「たまには甘えてもいいでしょ?」
………奈々…
「奈々を傷つけたくないし…」
「悠紀……」
「俺はさ、奈々の一番でいたいな…」
「………え?」
「もっといい男になるんだからな?」
「あはは。大丈夫だよ?私はずっと悠紀が一番だから…」
「奈々。」
「さて、売店行きますか!悠紀何好き?」
「食いしん坊だ…」
「もし昨日倒れなかったらもっと食べたかったな…」
「もう〜」
「食欲は元気な証拠だからね?」
「はいはい。奈々ちゃんは食いしん坊って事でな。」
「何さ〜」
だけど廊下ですれ違う病人や患者の家族を見る度胸が痛む……


