「お帰りなさい。奈々ちゃんは?」
家に帰ると由美さんが迎えてくれた。
「あ〜着替えて朝飯食べてからまた行きます。」
「シャワーは?」
「あ〜浴びて着替えてから食べますね。」
「じゃあ…あたし達も病院行こうかしら?」
「はい…」
由美さんと親父も奈々の病院に行くんだ。
奈々…大丈夫かな…
俺は脱衣所に行く。
浴衣のままは辛いよな…
浴衣を脱ぐと風呂場に行く。
シャワーを浴びて、髪などを洗う。
「悠紀君。着替え置いとくわね?」
由美さんの声がする。
「はーい……」
由美さんは本当のお母さんみたいになってきた。
だから今は家族って感じだ……
風呂から上がるとタオルで体を拭き、着替える。
きれいに畳まれてる。
由美さんが畳んだんだな…
着替えると髪を乾かし、リビングに向かう。
〈ガチャ〉
「あの…」
「あ、悠紀…おはよう。」
親父が俺に気付いて言った。
「ああ…」
「……奈々ちゃんは?」
「大丈夫。いつも通りだったよ。」
「そうか。お前が朝飯食べ終えたら車どみんなで病院行こう。」
「ありがとう…」
「あたし奈々ちゃんに会ってみたかったのよね。」
由美さんは笑って言う。
「奈々も楽しみにしてますよ。」
俺は由美さんがいれといてくれたコーヒーを飲みながら言う。
「悠紀君。砂糖…いらないの?」
由美さんが聞く。
「俺、甘いの嫌なんで。」
「大人だわ。本当に…」
俺は笑う。
でも俺は子供だよ。
まだ奈々を完璧には支えられない。
一人前ではないから…
早くそうなりたいのにな…