すると
「ありがとうね。悠紀君。」
奈々の叔父さんが言う。
「いえ…すみません。昨日は…」
「いやいや。悠紀君も疲れただろう?大丈夫だったかい?」
「はい。俺もあのまま寝てしまって…」
すると
「悠紀君、ありがとう。朝ご飯とかまだじゃない?」
「あ〜じゃあ俺…また来ます。」
叔父さんと叔母さんがいるならな…
すると
「悠紀。」
「……ん?」
行こうとしてた俺は振り向く。
「あのさ…」
「………?」
もしかして叔父さんや叔母さんに言いづらい事?
「やっぱりいいや…」
「なんだよ?」
「後で。」
「分かった。じゃあ…」
俺は病室を出た。
奈々は何が言いたかったのかな……
俺は奈々を安心させられたかな?
いっぱい苦しんでないよな?
本当はもっと……
すると
「あ、さっきの…林さんのケータイ返しとくわね。」
さっきの看護師さんに声をかけられた。
「あ、すみません…」
看護師さんは奈々のケータイを俺に渡した。
全く…子供かよ。
取り上げられて……
俺は病院を出ると駅に向かう。
奈々のケータイ…
少しだけ見ちゃお…
いやいや我慢。
後で叔母さんに渡すか。
つか、俺…浴衣のままかよ…
ださ。
返さないとな。
駅に着き、電車に乗る。
窓の外を見ると…
前に二人で来た海が見えた。
病院に近いのか……
また奈々と行きたいな…
あれからもうたつんだな…
長く感じた片思いと早く感じた付き合いだった。
駅に着くと家に向かう。
早く着替えたいし…
奈々が心配だった。
俺は走って家に向かった。


