「昔は自分傷つけたから。病気…怖くなかった。生きてていいかも分からなかったから…」



生きてていいかわからない……



自暴自棄…



俺も昔は少しあった。


楽しいとか幸せとか分からなかった……


でもさ…



「今はそんな事すんなよ?」



「しないよ?私…変わったから。」



「うん…」



「叔母さん達心配してるから連絡しよう?」



「あ、忘れてた…奈々を心配しすぎて…」


「もう〜心配性!」



「ははは…」



俺はケータイを開く。



昨日連絡用にケー番を聞いたから…



昨日は叔母さんと叔父さんは先に帰った。



俺にまかせると言って…



多分相当心配してるよな…



「もしもし?あ…あの…奈々起きました。はい、はい…わかりました。」


俺は電話を切る。



「叔母さん何だって?」


奈々は俺に聞く。



「あ…今から家出るって。」


「来なくていいって〜悠紀と二人がいい…」



「お前な…親孝行しろ?心配してんだぞ。」


「そうだけどさ…」



奈々は俺をじーっと見る。


「何?」



「叔父さん…大丈夫だった?」


「へ?」


「いや、普通…お父さんは娘の彼氏に対して厳しいから…」


「いや…普通だったかな?昨日だって俺の心配もしてくれたし…」



「なんか始まると思ったのにな〜」


「楽しむなよ?」



「ドラマみたいな展開はないのね。」


「あったら困るから。」



全く…奈々は。



「でも入院か〜やだね。ハンバーグ食べたい…」


「退院したら作ってやるから?我慢しろ。」



「じゃあ頑張る…夏休み遊びたかったな…」



「自分の体心配しろよ〜」



「そうだよね…」


奈々は急に表情が変わる。


「奈々。今日はさ…親父と由美さん来るからさ。早く元気になろうな?」


「本当!?」


急に明るくなったし…