………奈々、会いたい。
こんな気持ちは初めて。
俺は一人の女なんか興味なかったのに……
その場しのぎのやつもいたし、たまに遊ぶだけのやつも……
俺はきっと誰かを傷つけた。
でもな……
奈々だけは傷つけたくなかったんだ……
遊んでばっかだったのに…
昨日、初めて会って…
奈々が男苦手なの知ったのになぜか…
変なやつだよな…俺。
ずっと孤独な気がしてた。
友達はみんな遊びで繋がってて…
自分の事はあまり話さない。
親父もあんなだし…
一人…
誰もそんな俺に何も言わない。
だけど…
奈々は俺にはっきり言った。
嫌だとかお父さんと一緒だとか…
それがショックだった。
しかも奈々に言われたからだと思う。
俺は最低なんだな…
今更だし……
奈々から見たら俺は最低でやなやつか…
だったら……どうすれば君は?
こんなにも気になるのが恋というのか?
俺は、恋だとか愛だとか知らないしどうでもよかった。
でも…
誰かのために何かを捨てたい…
それは恋なのかな?
誰に嫌われても気にしない。
でも…奈々にだけは嫌だった。
昨日、初めて会って…
話したのは友達より少ない。
でも…
こんなに変わるのは…
一目惚れってやつか?
マジわかんねぇよ……
だけど…
『誰かにたまには一途になるのもいいんじゃねぇの?』
前に、中学で遊び仲間でもあった先輩に言われた。
その先輩は俺みたいだったが、本気で好きなやつができて変わった。
だから、俺にそう言ったんだ。
一途か…俺が?
奈々は遊びのつもりだった…
でも、違うんだ…本当は。
なぜか惹かれてる。
なぜかほっとけない。